ジャガイモ毒 あなたは知っていますか?その作用
さて、またまた薬学生が書いていきますよ
今回はジャガイモ毒についてです。
何か良くないということだけは分かっている...そんな方が多いのではないでしょうか?
では、見ていきましょう!!!
1)何の毒なの?
ジャガイモの発芽部分と緑色部分にはソラニンやチャコニンという物質が含まれています。
これらは強力なコリンエステラーゼ阻害作用や溶血作用を持ちます。
コリンエステラーゼ阻害作用とは要はそれにより、副交感神経が無理やり異常に興奮させられるのです。
副交感神経自体は体中に広がっていますから、そりゃ体単位で異変が起こってくるわけです。
また、溶血作用によりおなじみの赤血球が破壊されるわけです。
2)なすびにも入っている??知ってました?
実はこれらの有毒物質はなすびにも入っているんです!!!!
筆者はジャガイモとなすびがあまり好きではないのでちょうどよかったと思えたりするんですがね(笑)
ですので、これからはなすびを使うときも特に注意して調理するようにしましょう!!
3)早く食べよう!!
有毒成分の含有量は季節にもよりますが、その量では人体に大きな影響を与えるほどではありません。
しかし、発芽し始めると、芽やその周辺部と皮部の含量は上昇して0.2%~0.4%に達したものは中毒の危険性があります!
なので、この場合しっかりと上記の部分を取り除くようにしましょう!!
4)症状は恐ろしい そうならないために
実際これらの有害物質を多量に摂取すると数時間で症状が現れてきます!
具体的には大人で1~2kg、子供でなんとたった一個の計算になるのです
軽症の場合は倦怠感、腹痛、下痢、嘔吐などで済みますが、重症となると脳の浮腫を起こし、意識混濁、呼吸困難、けいれんを引き起こします
最悪の場合は死に至ることもあります
以下のようなNEWSもあるんですよね。
平成18年7月、都内の小学校で、理科の実習用に校内で栽培したジャガイモを、調理員が皮付きのまま茹で、それを食べた132人のうち児童75人と教師2人が、腹痛、吐き気、喉の痛み等の症状の食中毒を起こしました。
小学校に残っていた茹ジャガイモ2個と、参考品として同一の畑に残っていた生のジャガイモ2個を、東京都健康安全研究センター食品化学部食品成分研究科で検査したところ、ジャガイモの皮や芽に多く含まれるソラニン類が高濃度に検出され、これが原因であることが分かりました。
こうならないために調理では
①しっかり煮ること
②芽やその周辺や皮を深く取り除く
調理以外の対策としては
①芽が出ていたり、緑のジャガイモは買わない
②紙袋や段ボールにいれて日の当たらない涼しいところで保管する
これらを必ず行うようにしましょう!!!!!
どうでしたか??子供の場合は一個のジャガイモでも重症となる危険性もあり、より一層ジャガイモ毒を意識していただけたら幸いです。
症状もあまり知られていないですので、子供や自身の体調が悪くなかかな治らないという場合は一度疑ってみてもよいかもしれません!
私たちの健康は私たちの手で”知ること”により守っていきましょう。